この文章は、平成10年4月10日 佐原市役所7階 全員協議会室において講演した「佐原市役所 議員勉強会」のために記述したものに、リンク情報を付け加えたものです。なお、この勉強会には市議会議員の方々をはじめ、市役所の担当の方々約50人ほどが参加しました。
インターネットブームと叫ばれてから既に3年が経過いたしました。
もはやインターネット抜きに、情報化社会を語ることは許されず、そのすそ野は日々広がっております。
インターネットの重要性は、今後ますます高まっていくことでしょう。この世界的規模で話題になっているインターネットとは、コンピュータとコンピュータを結ぶネットワークの1つです。
『ネットワーク』という言葉がいきなり出てきましたが、インターネットを理解するには、どうしてもネットワークについての知識が必要となります。
ここで少しだけネットワークについて、ご説明いたします。
《1》単体で使用されていたコンピュータ
コンピュータは第2次世界大戦中、ミサイルの軌道計算のために開発されました。
この時代のコンピュータは、ひたすら計算だけをすればよかったのですから、単体で使用すれば、こと足りました。
戦争が終わり、コンピュータの有用性が認められて、一部の研究機関や企業などでも導入されるようになりましたが、それでも、計算だけに使用されていました。
1台1台が独立して、それぞれが計算をしていました。時は流れコンピュータが一般的となり、多くの研究機関や企業などでも導入されるにつれて、コンピュータの意外な能力が分かってきました。
多量の情報を短時間で処理する能力です。いろいろな情報を記憶したり、その記憶した情報を検索したりする能力に非常に優れているのです。たとえば、企業ではコンピュータを経理計算だけに使用していましたが、やがて経理データを蓄積し、過去のデータを検索できるようにしました。
日々の売上のデータから、売れ筋商品を確認したり、死に筋商品を見定めるようになりました。
さらに、曜日ごと、月ごとの売上商品の構成や、その推移なども検索できるようになりました。これらの情報を仕入れに活用して在庫を減らしたり、工場の生産工程に活用して正確な出荷計画を立てることが出来るようになったのです。
その結果、机の上にあった各種台帳がなくなり、それらのデータは全てコンピュータの中に納まってしまいました。
《2》ネットワークの登場
この頃から、純粋に情報蓄積を目的に、コンピュータでデータベースが構築されはじめました。
新聞情報や学術研究などのデータを蓄積し、検索できるようになったのです。ところで、情報は共有し、発信することでその価値が生まれます。
いくら情報を持っていても、1台のコンピュータが抱え込んでいて外部に出さないのでは、価値が半減してしまいます。
ここにネットワークの必要性が生まれました。コンピュータとコンピュータを結んで、情報を流通させようとしたのでした。
ネットワークの登場です。初期のネットワークでは、研究機関や企業内で数台のコンピュータを結んで、情報のやりとりをしていました。
同じ建物内や構内のコンピュータを結んだ小規模なシステムです。これをLAN(ラン)と言います。
やがて、構内だけでなく、WAN(ワン)と呼ばれる、もっと広い地域をネットワークで結ぶシステムが発生します。情報の重要性も見直されました。企業では、「情報」が「人」・「物」・「金」に続く第4の資産とも言われるようになりました。
このようにして、コンピュータは情報処理機器として発展をしていきます。
【ちょっとだけ 解説】 LANとは Local Area Network の略語です。また、WANとは Wide Area Network の略語です。
《3》そして、インターネット
ネットワークが発達し、その1つの形態としてインターネットが登場します。
ここで、インターネット登場のいきさつについて触れます。話は第2次世界大戦後、冷戦中のアメリカに戻ります。
アメリカ国防総省が軍事利用の目的で『ARPAnet』というネットワークを構築しました。これが後にインターネットの母体となります。当時アメリカはベトナム戦争の最中であり、ソ連からの攻撃に怯えていました。
そのために、ソ連からの攻撃を受けても、びくともしない丈夫なネットワークを作る必要がありました。
ネットワークが分断されては、指揮系統がズタズタになってしまうし、重要な機密データも破壊されてしまうからです。1ヶ所や2ヶ所のコンピュータやケーブルが破壊されても、使用に耐えうる丈夫なネットワーク、それが分散型ネットワークです。
分散型ネットワークとは、文字通りあちらこちらに散らばっているコンピュータを接続するネットワークです。
複数のコンピュータに情報を分散させておけば、その1つでも生き残っていれば、貴重な情報は守られます。
さらに、攻撃されたコンピュータを回避して、ネットワークが存続できるように、ケーブルも分散して配置されました。
一極集中型ネットワーク 分散型ネットワーク 『ARPAnet』は、アメリカ大陸にある4カ所のコンピュータを接続して実験を開始しました。
この実験に大学や研究機関などを参加させたことから、軍事利用の目的から少しずつ離れていくことになります。『ARPAnet』が登場してから、今年で29年になりますが、今や当初の目的から完全にズレてしまいました。
私の主催する「佐原ホームページ」の 美しいアヤメの花 が、このネットワークで観覧できるとは、当時誰が考えたでしょうか??
《4》インターネットで出来ること
インターネットには無限の可能性があると言っても差し支えありません。
現在もその効果的な利用法を求めて、多くの人が模索している最中です。
軍事利用も学術利用も商用利用も、全てにおいて可能です。
また、インターネットそのものを管理する人も運営する人もいませんので、使用する上での規制も全くありません。インターネットで、現在もっとも利用されているサービスに、WWWと電子メール(E-mail)があります。
これらのサービスについて説明いたします。◆WWW(World-Wide Web)
インターネットと言えば「佐原ホームページ」のように、パソコンの画面にカラーで表示される文字や写真を思い浮かべる方も多いと思います。
ちょっと難かしくなりますが、WWWとは、このサービスを提供しているシステムのことを言います。
このシステムのおかげで、音声や動画なども扱えるホームページの観覧などが可能となりました。ホームページのデータそのものは、WWWのシステムを使って情報を発信するWWWサーバに登録されています。
ちなみに「佐原ホームページ」のデータは、アメリカ合衆国オレゴン州セーラムに設置してあるWWWサーバに納まっています。◆電子メール(E-mail)
パソコンでメッセージを書いて、それをそのまま相手のパソコンへインターネットを介して送ってしまう機能です。
手紙のように、相手に届くまで日数を要することもありません。地球の裏側の相手にも、数秒で送ることが出来ます。
何より有り難いのは、受け取ったメッセージがそのままデータとして再加工して使えることです。このレジュメを作るにあたって、桶市ハウジング の小長谷さん、とうきょう屋 の山崎さん、平甚酒店 の平野さん等にホームページ使用の承諾を得ましたが、いずれも電子メールでお願いしたものです。
この他にもインターネットでは様々なサービスが用意されています。
よく使われるものに、ネットニュース・ Telenet ・FTPなどがあります。
《5》佐原に関係するホームページの紹介
日本国内だけで50万ページとも、350万ページとも言われるホームページの中から、『佐原』というキーワードで検索をしました。
その結果、いくつかのページがヒットしました。それらのページの内、一部をご紹介いたします。
なお、いずれのホームページも、添付したCDに保存されております。◆佐原ホームページ http://www.sawara.com/
佐原市佐原在住の小早志が主催しているホームページです。
小早志が個人的趣味で佐原市の様子を紹介しています。◆桶市ハウジング http://www.okeichi.com/
佐原市佐原で木材商を営む、小長谷さんが主催しています。
木造注文住宅の設計施工や不動産の売買仲介などを行なう、有限会社桶市ハウジングさんの紹介です。
会社概要や木と健康との関係、物件情報のほか、木材組合の活動紹介、佐原の山車祭りの情報などが掲載されています。◆とうきょう屋 http://www15.ocn.ne.jp/~itako812/
佐原市磯山で、水郷地域の産物と郷土色豊かな一次加工品を紹介・販売しています。
地元でとれた低農薬のお米「生貯蔵こしひかり」・「水郷こしひかり」・「生かきもち」の商品写真や、特徴、価格・送料などが掲載されています。
専用フォームまたはFAXでの注文も可能です。◆地酒特産品 平甚酒店 http://plaza10.mbn.or.jp/~hirajin/
香取郡神崎町本宿で、地酒・特産品の販売をしていらっしゃる、平甚酒店さんのホームページです。
佐原の蔵元の特産品である、地酒や味醂の通信販売を行っています。また、手作りの、ひしほ・味噌・甘酒等も販売しています。
【ちょっとだけ 解説】 http://www.sawara.com/ これはインターネット上の情報にアクセスする方法を示しています。
URL(Uniform Resource Locator)と呼んでいます。
読み方は「エイチ,ティー,ティー,ピー,コロン,スラッシュ,スラッシュ,ダブリュスリー,ドット,サワラ,ドット,コム,スラッシュ」。
知らない人が聞いたら、まるで呪文のようです。
また「 ~ 」は「チルダ」と読みます。
《6》自治体の取り組み
インターネットは、情報発信に非常に都合のよいシステムです。
もともと学者間での情報共有や情報発信に使用されてきたものですから、その機能は大変に優れています。自治体や企業では情報公開が求められいますが、インターネットを使えば、低コストで簡単に行うことが出来ます。
また、情報の受け手側である一般市民も、24時間好きな時間に最新の情報を手に入れることが出来ます。次の表は千葉県内の自治体のホームページ整備状況を表にしたものです。
千葉県には80の市町村があります。また政令指定都市の千葉市には6つの区があります。
これらの市区町村の内、現在41の市区町村がホームページで情報を発信しています。香取郡内では、大栄町・小見川町・東庄町の3町が既にホームページを開設しています。
今や自治体の情報公開は、インターネットで行うことが当たり前となりつつあります。
《7》インターネット −−その可能性
インターネットから得られる情報は、実に様々なものがあります。
具体例を申し上げるならば、このレジュメに記載されている全てのデータは、私がインターネットで検索して得たものです。たとえば、小見川町のホームページ を勉強会の資料として印刷する場合には、まずインターネットで検索をします。
続いて、小見川町役場に電子メールで、勉強会の資料として使用して良いかどうかを問い合わせます。
小見川町役場から、使用を許可する旨の電子メールが返送されてくれば、後はホームページを印刷するだけです。
このように、自分の机を一歩も離れることなく、世界中のデータをかき集めることが出来るわけです。インターネットはまだまだ発展段階です。
技術が進歩し、今後いま以上にすばらしいサービスが出てくることでしょう。
◆レジュメ作成のための参考資料
桶市ハウジング http://www.bekkoame.or.jp/tw/okeichi/
とうきょう屋 http://www1.raidway.or.jp/~dagobah/
地酒特産品 平甚酒店 http://plaza10.mbn.or.jp/~hirajin/
成田市 http://www.city.narita.chiba.jp/
小見川町 http://www.portland.ne.jp/~omigawa/
千葉県 http://www.pref.chiba.jp/index-j.html
自治省 http://www.mha.go.jp/
財団法人地方自治情報センター http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/ホームページの転載を快諾して下さいました、桶市ハウジングの小長谷氏・とうきょう屋の山崎氏・平甚酒店の平野氏・成田市の市長公室企画課・小見川町の情報管理室の諸氏に、この場をお借りして御礼申し上げます。
◆ご注意
このレジュメに関する著作権は小早志 正美にあります。
また、各ホームページに関する著作権は、それぞれの個人・団体にあります。
このレジュメに記載してある全ての事柄について無断転載を禁止します。